膳處漢ぽっちり
かつて呉服問屋が立ち並んだ京都・室町に、そのゆかりを残す古民家がある。その風情のある佇まいをリノベーションして、2003年にオープンしたのが中国北京料理店「膳處漢ぽっちり」だ。エントランスは洋館造りになっており、中に足を運ぶと和の空間が広がっている。まさにそこは非日常が織りなす特別空間。時間と場所を飛び超えた不思議な感覚に陥るのだ。
「膳處漢(ぜぜかん)」の膳所(處)とは、かつて都の御厨所として知られる滋賀県大津が「陪膳(おもの)の所」と呼ばれ、いつしか「膳所(ぜぜ)」となった地名に由来する。京都と北京の街の佇まいがよく似ており、中国宮廷料理の流れを汲む北京の台所に見立て、同店は「膳處漢(ぜぜかん)」と命名された。さらに、「ぽっちり」とは舞妓さんの帯留めのことで、京都では“かわいらしい”という意味を指す。当店の中庭には蔵をリノベーションしたBarが設置されているとのことで、ちいさくかわいい「ぽっちり」という名前をつけた。つまり、本格的な北京料理が楽しめる「膳處漢」とワインやカクテル、世界各国のお酒が楽しめる「ぽっちり」を合わせて「膳處漢ぽっちり」なのだ。
「膳處漢」の席種はメインフロア、大広間、個室などが用意されており、日常使いはもちろん、特別な記念日や結婚式、パーティーなどさまざまな用途で使用できる。特に人気がある席は中庭が見えるメインフロア。この席を目当てに来られる方も多いそうで、希望するのであれば早く予約することをおすすめする。
「膳處漢」の看板料理は言わずもがな「フカヒレ」と「北京ダック」だ。フカヒレはヨシキリザメ、モウカザメ、アオザメという高級食材から厳選したものを使用し、さまざまな野菜・豚足・鶏がらなどを煮込んだ「白湯」とたっぷりのねぎから出る濃厚で甘い「葱油」を合わせた深い旨味と甘い香りのソースとともに仕上げる。一度口に運ぶと、コリコリとした食感とその美味しさにやみつきになるのだ。一方、「北京ダック」は時間をかけて丁寧に仕込んだ逸品。通常の「北京ダック」とは違い、かなり肉厚があり、食べ応え十分なのが特徴だ。
高級料理から点心まで多彩なメニューが用意されているが、おすすめは「フカヒレ」、もしくは「北京ダック」をメインに海鮮や季節野菜を織り込んだコース料理だ。「膳處漢(ぜぜかん)」の魅力をお腹いっぱいになるまで十分に堪能できる。また、フカヒレは自宅で湯煎するだけでいただけるテイクアウト用も用意されている。これは食卓が彩ること間違いなしだ。
食事後はぜひ「ぽっちり」にて、バーテンダーによるお酒を楽しみたい。カウンター12席に加え、2階に個室が2部屋あるので、ゆったりと過ごすと良いだろう。「ぽっちり」には「膳處漢(ぜぜかん)」で食事をしなくても伺えるそうなので、デート帰りや会食の後にフラッと立ち寄るのも粋だ。
膳處漢ぽっちり
所在地:京都府京都市中京区天神山町283-2
電話番号:075-257-5766
営業時間:11:30~15:00(L.O.14:00)、17:00~22:00(L.O.21:00)
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