歴史と風格に寄り添い、利便に溢れ文化薫る上京区御所西エリアの魅力

古くより京都の文化・行政の中心地として栄えてきた街

京都市の中央からやや南に位置する上京区は、かつて、平安京の大内裏が設けられるなど、古くから京都の中心として発展してきた。現在も「京都府庁」を擁する京都府の行政の中心地として重要な役割を担う。2023（令和5）年から「京都府庁」隣接地に「文化庁 京都庁舎」が設けられ、日本の文化行政の中心にもなっている。

「京都御苑」の西に広がる御所西エリアは、京都の中心地にありながら「旧市街地型美観地区」に指定されており、趣のある街並みに恵まれている。

厳かな歴史を身近に感じられる街

「京都御所」は1331（元弘元）年の光厳天皇即位時から明治時代の東京奠都まで天皇の住まいとなっていた。現在も国賓の接待に使われるなど皇室との関係は深い。

「京都御所」の周囲には東西約700m、南北約1,300mという規模を誇る「京都御苑」が広がる。明治の東京奠都の際、「京都御所」周辺の荒廃ぶりを悲しんだ明治天皇の命により緑化されたという歴史がある。

御所西エリア周辺には平安時代の貴族、和気清麻呂が猪を救ったところ足のケガが治ったという伝説から「いのしし神社」と呼ばれる「護王神社」、平安時代の陰陽師である安倍晴明を祀り、厄除けに利益があると伝えられる「晴明神社」など歴史を感じられるスポットが多い。

御所と聚楽第（じゅらくたい）を結んだ、品格ある「中立売通」

御所西エリアの主要な通りであり、「京都御苑」の中立売御門から、西へ七本松通で一条通に接続する「中立売通」。かつては、天皇の住む禁裏と豊臣秀吉の住む聚楽第（じゅらくたい）を一直線に結ぶ道であり、秀吉も往来したとされる歴史ある通りだ。今なお歴史ある街並みを残しながら、モダンでお洒落な飲食店なども軒を構える通りとなっている。

また、周辺には南北に烏丸通や堀川通、東西に今出川通や丸太町通といった幹線道路が通っている。これら幹線道路には「四条河原町」や「京都」駅などに向かうバスも数多く運行されており、目的地によってはバスの利用も便利だ。

「京都御苑」に隣接するただ2つの駅、「今出川」「丸太町」

御所西エリアは交通アクセスの利便性が高い。御所西エリアからは最寄りとなる「今出川」駅のほか、「丸太町」駅からも京都市営地下鉄烏丸線を利用できる。どちらも「京都御苑」に隣接しているただ2つの駅で、利便性とともにその稀有な立地の特別性を享受することができる。

「今出川」駅から京都市営地下鉄烏丸線に乗れば「京都」駅まで5駅約10分の距離だ。「京都」駅からは東海道・山陽新幹線のほか、JR各線、近鉄京都線など多くの路線を利用できる。「今出川」駅から2駅目の「烏丸御池」駅では京都市営地下鉄東西線、3駅目の「四条」駅では阪急京都線に乗り換えでき、広い範囲にスムーズなアクセスがうれしい。

公共施設がそろい、大学キャンパスも多い文化薫る街

御所西エリア周辺は「上京税務署」、「京都府庁」など行政施設が集中する。「京都市 上京区役所」も近く、行政手続きもしやすい。

御所西エリア周辺には「平安女学院大学 京都キャンパス」、「同志社大学 今出川校地」、「同志社女子大学 今出川キャンパス」など大学のキャンパスも多く、文教エリアという特徴も持つ。「平安女学院中学校・高等学校」など教育施設の選択肢が多いのも文教エリアならではの魅力だ。

御所西エリアに近い「京都市立新町小学校」は1997（平成9）年に開校した新しい学校で、可動式上屋の付いたプールなど施設が充実している。一方、「京都市立上京中学校」は1887（明治20）年、「上京区高等小学校」として設立された長い歴史を持つ。1990（平成2）年に新校舎に移転しており、施設は新しい。「京都市立上京中学校」や「京都市立新町小学校」は「京都市立みつば幼稚園」や「京都市立京極幼稚園」とともに、保幼小中一貫教育が行われていることでも注目されている。

芸術や美術、文化に身近に触れられる環境が広がる

御所西エリア周辺には文化施設も多い。「樂（らく）美術館」は400年以上続く樂焼の窯元の樂家に隣接する美術館だ。「有斐斎弘道館」は茶事などの日本文化を伝える学問・芸術サロンになっている。他にも「京都府立府民ホール ALTI（アルティ）」、「西陣織会館」、「西陣 くらしの美術館 冨田屋」などで多彩な文化に触れることができる。

200年以上の歴史がある京町家を改装したレンタルギャラリー&レンタルスペース「be京都」、レンタルオフィスとイベントスペース、カフェ、書店が融合した「堀川新文化ビルヂング」でも展覧会などの催しが多い。

豊かな自然と伝統ある催事に、四季を感じられる街

御所西エリア周辺は自然も豊かだ。堀川通と東堀川通に挟まれた「堀川遊歩道」では春は「堀川桜まつり」、夏は「京の七夕」などイベントも多く、四季の移ろいを感じられる。

「京都御苑」では「京都御所」を包む緑が美しい。遊具のある児童公園や水遊びを楽しめる「出水の小川」など子どもが遊べるスペースもある。創業300余年の老舗京菓匠「笹屋伊織」が手掛けるカフェを併設する「近衞邸跡休憩所」では緑を見ながらのお茶も楽しめる。御所西エリア周辺では「葵祭」や「時代祭」などの祭りも多く、気軽に見学できるのもうれしい。

「京都御所」の歴史と緑が寄り添い、文化も薫る御所西エリア。ここでは京都ならではの穏やかな日々が心地よい。